2023年06月22日

第15回掲載

さてさてお待たせいたしました。
「平に清らにかうらみて」第15回の掲載でございます。

なんだかんだと「かうらみて」ももうじき連載開始一周年になりますね。
そういうのもあって、これからちょこちょこと裏話的な事も書いていこうと思っています。


まずはタイトルの由来と連載開始の経緯から。
「平に清らにかうらみて」このタイトルの由来は…「わかりません」。
なんのこっちゃって感じですが、端的に言ってしまえばそうなります。(^^;


時は「かいてんげる」の連載も終盤に差し掛かった頃…とはいっても完結より2~3年前くらいになりますが、作画の手間的にはまだかかるとはいえ話的にはもう完結までの流れが見えていたので、そろそろ完結後にどうしようかと色々考えていました。

「かいてんげる」の気になる部分を修正して完成度を上げようという方向もあったんですが、連載開始からあまりに時間が経ってしまったので、もう今更手を付けるのもなあというのもあって、基本的には新作を描く方向で行くつもりでした。


私の好きな星新一さんは「もしSFで描いてた世界が実現したらどう思いますか」という問いに「話を書くネタが無くなるので困る」みたいな事をエッセイで書いていました。
「自分は色々宇宙人の来訪する話を書いているけど、実際に衆人環視の中で宇宙船に着陸されたら終わりだ」と。
それじゃ衆人環視の中で宇宙船が着陸する漫画はどうだろう、とあえてそういう古典的なネタをやってみようかと思ったのが「かうらみて」の構想の発端でした。
(連載二回目のシーンがそこですね)

宇宙船が攻撃ではなく着陸するのだから、そこそこ友好的な宇宙人だな。言葉はまあ何とかなるとして、ある程度地球人に類似する点が無いと話が作りにくいし…それじゃ始祖にするか。
という感じで頭の中で少しずつ思いつくままに適当に設定を転がしているうちにどんどん膨らんで、「かいてんげる」完結前にもうあらかたの設定とかなり先までの話の展開ができてしまったんです。

ただ、連載中の「かいてんげる」の制作が疎かになっても困るので、とりあえずタイトルやキャラや国などの名前だけは一切決めずに置いておきました。
そして無事に「かいてんげる」が完結し、いよいよ新作の方に取り掛かるにあたって、改めて名前の設定から作り始めたんです。


そのちょっと前くらいに、朝起きた時に突然頭の中にある言葉が浮かびました。
「ひらにけうらにかうらみて」
なんのこっちゃと思いながら、とりあえずメモだけして置いておいたのを、新作制作開始の時に使えるかなと思って掘り起こして調べてみました。

しかし全文を検索してもまったくヒットしない。
じゃあ個別にやってみようという事で、とりあえず「ひらに」は「平にご容赦を」とかの「平に」だろうなあと。
「けうらに」は古文の「清らなり」の連用形とか出てきたので、まあこれだなと。
んじゃ「かうらみて」はと検索してみましたが、これだけはまったくわからない。
ひらがなだと「恨み」だの「ウラミテ」だの、カタカナだと「カラミティ」とか出てきて、そのものずばりの言葉はまったくわかりませんでした。
全体的に古文っぽいからその関係で聞きかじった可能性もありますが、それならどこかでヒットしても良さそうなものなのですが。

そんなわけのわからない言葉だけど、ふと「かうらみて」を王女様の名前にすれば、上手くタイトルっぽく収まるんじゃないかと思いついて「平に清らにかうらみて」というタイトルと王女様の名前が同時に決まったのです。
なんか覚えにくそうだとかタイトルから作品内容が直感的に思い当たらないとか、気になる点は多々ありましたが、こういう天啓めいた思い付きは大事にした方がいいんじゃないかと思ったので。


そういう理由で、タイトルの由来は「わからない」という。
本当に「かうらみて」って何なんでしょうね。(^^;



なお、今回王女様が座っている椅子は、「かいてんげる」終盤で登場したマグアス王の玉座の椅子の再利用です。
頑張って作ったのに結局作中では一度も座ってもらえなかった可哀そうな椅子を、新作で供養という。(^^;


それでは本編お楽しみくださいませ。
posted by おおゆき at 15:30| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする